歯周外科治療の適応
①歯周基本治療を行っても、
深い歯周ポケットが残存していて、
改善しない場合。
②軟組織、硬組織の形態異常により、
プラークコントロールの不良や、
歯周炎の再発が起こりやすい場合。
③審美障害や、適切な修復・補綴物の
装着を妨げるような解剖学的形態異常が
ある場合。
これらが、フラップ適応のケースとなります。
ですから、単にSRPで歯周ポケットが
改善しなかったからという理由だけで、
フラップを行っていても、
改善しないケースが
たくさんありますので、
意識していただきたいと思います。
歯周外科ができる患者の目安
次にフラップ対象となる、
患者さんの状態を確認しましょう。
以下の項目に当てはまる患者さんほど、
フラップでの治癒が見込めます。
①歯周ポケットの深さは4mm以上
プロービング時の出血がある
②患者の歯周外科治療の同意を得ている
③患者の全身状態がよいこと
④患者の口腔衛生状態がよいこと
(プラークコントロールが悪いまま、
フラップを行わないようにしましょう)
⑤喫煙していないこと
これらの目安は、
絶対ではありません。
例えば、喫煙者でもフラップを
行うケースもあります。
ただ、一度治ったと思っても、
歯周ポケットが再発することがあります。
ちなみに私は4mmの深さでは、
フラップをおすすめしていません。
感覚的には、浅くて5〜6mm以上。
6点のうち数カ所深い歯周ポケットが
残っているときに、フラップが選択肢に
なります。
再評価の時期
・SRP後の再評価は28日(約1ヶ月後)
・歯周外科の再評価は3ヶ月後
リグロスを用いた、歯周組織再生療法は
4ヶ月後に再評価を行います。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20210525/06/ayanokanna/ca/58/j/o1080060614947072416.jpg?caw=800)
いずれも、
日本歯周病学会のガイドラインなど、
指針がありますので、
参考になさってくださいね。
まとめ
フラップを行うのは、
あくまで最終手段です。
最低でもSRPと再SRPを行ってから、
歯周外科を行うか判断なさってください。
私の場合は、
SPTで深い残存ポケットを管理しています。
そこで、再々SRPを行なったり、
縁下のデブライドメントを継続することが
重要だと考えています。
SPTで診ていくと、
歯周ポケットがさらに改善することや、
安定することがよくあります。
今回も初診から4年経ってから、
フラップをすすめました。
私がフラップをDrに相談したケースは、
8年間で3名です。
フラップが日常ではありません。
歯科衛生士として、
非外科でどこまで改善できるのか、
見極めた上で、
トライしていただきと思います。