こんにちは。
歯科衛生士の前池 綾乃です。
今回は2018年の「Journal of Clinical Periodontology」に掲載された、
ブラジルのSao Paul 大学のInverniciらによる論文で、
ビフィズス菌含有のプロバイオティクスは歯周治療の効果を
向上させるか?という内容が発表されました。
SRPを終えてから、プロバイオティクスの錠剤を
30日間服用した場合、プラセボ錠剤を服用した群よりも、
プロービングデプス(PPD)4mm以上と、
臨床的アタッチメントレベル(CAL)の改善が大きく、
ポケットの残存もか少なかった。
という結果になりました。
レッドコンプレックスなどの歯周病原性最近と
考えられる菌数が大きく減少し、B.Lactisが増加した結果から、
慢性歯周炎患者の治療において、B.Lactisの服用は
SRPと併用することで、有益な結果と結論づけました。
従来、歯周炎は歯周病原細菌による、感染症と
位置づけられていましたが、
細菌叢のバランスの乱れにより引き起こされる病的状態、
「Dysbiosis」
が近年の歯周炎の病因になっています。
プロバイオティクスのような「善玉菌」が増えることで、
悪玉の歯周病菌を減らし、菌叢を変えるという考え方です。
以前、ロイテリ菌ヨーグルトについて記事を書きましたが、
それと同じ考え方でした。
↓ロイテリ菌ヨーグルトのブログ記事
https://ameblo.jp/ayanokanna/entry-12381117801.html
論文の結果が過剰評価されているかもしれないということで、
さらなる研究が必要と書かれていましたが、
使ってみる価値はありそうです。
※参考図書 DH Style2019年3月号より