【歯周病を治す超音波スケーラー】
2019年11月6日
こんにちは。
歯科衛生士の前池 綾乃です。
⒈ 8割が歯周病?
日本では8割が歯周病と言われていますが、
歯肉炎や軽度の歯周炎も入っており、
厳密には4割が歯周炎。
その内10%が重度の歯周病と言われています。
それが先進国の、
アメリカ🇺🇸、スウェーデン🇸🇪でも
歯周病は同じ割合のようです。
重度は10%ということ。
歯周病は私たち歯科衛生士で
80%治せる
という言葉が、
強く印象に残りました。
歯周病はバイオフィルム感染症で、
プラークを除去すれば治ります。
歯周病の原因説の歴史は古く、
1920年〜1960年は咬合性外傷が原因だと
言われ、その後1950年ごろから
プラーク由来という考え方に変わってきました。
今は
環境性プラーク説が強く、
プラークが蓄積すると嫌気性菌のエサになり、
歯周ポケットが深くなる。
ということです。
超音波スケーラーを使って、
デブライドメントを行うことで、
バイオフィルムが除去できます。
⒉ デブライドメントとは?
デブライドメントは、
柔らかいものや、硬い沈着物を取ることです。
以前は病的セメント質を取り除き、
根面を一層滑沢にする、
ルートプレーニングが必要と言われていましたが、今は不必要で、内毒素(エンドトキシン)を
とることがよいとされています。
内毒素(エンドトキシン)はガーゼで
ぬぐうくらいの弱い力で取れるので、
超音波スケーラーが有効です。
SRPに超音波スケーラー、ハンドスケーラーの
両方を用いることが望ましいが、
ハンドスケーラーを使わなくとも、
超音波スケーラーでかなり対応できること、
また、ハンドスケーラーより操作が簡単で、
超音波スケーラーの方が根面に傷をつけにくい
ことが利点であり、
予後は超音波スケーラーでも、
ハンドスケーラーでも、
両方とも良い結果が出ます。
⒊ SRPの注意点
SRPの注意点は、
特に4〜5mmの歯周ポケットで、
歯頸部付近のスケーリングに要注意です。
セメント質の厚みは、
歯頸部、CEJ付近がもっとも薄く、
20回ストロークするとセメント質が
なくなります。
セメント質がなくなり、
オーバーにSRPを行ってしまうと、
Hys症状が出て、
ひどい方では抜髄処置になる場合があり、
それは超音波スケーラー、
ハンドスケーラーともに気をつける点です。
歯石を取るときと、
デブライドメントを行うときの
メリハリが必要です。