治らない歯周病を見直す3つのポイント

こんにちは。

歯科衛生士の前池 綾乃です。

 

歯周初期治療塾の第3期が始まりました。

今回は個別対応の受講者様もいらっしゃり、

毎週オンラインのZOOMを使用しています。

 

 

最近ご相談があった症例がこちら。

37歳・女性。

非喫煙者。

常用薬無し

 

歯肉の腫れがひどいが、痛みはない。

月に一度来院しているが、

ほとんど歯肉の改善はなく、

歯周ポケットからの出血や、4mm以上の深い歯周ポケットの改善が見られず、

今後どのように対応していけばよいか、何から行うべきなのかをアドバイスさせていただきました。

 

                 

年齢からすると、骨吸収が顕著で中等度から重度の歯周病の症例です。

 

症例を交えて、どんなことを考えていくべきかのポイントを少しお話しします。

 

目次

1、なぜこの人は歯周病になったのか?

 

 

レントゲン写真と口腔内写真、患者の情報から、なぜこの方が歯周病になったのか、

どんなリスクが高いのかを推測します。

歯周病の原因は様々ですが、どのような因子があるのかを探ります。

 

リスクを探るためには、あらかじめ原因と思われることについて、

質問していきます。患者に必要な聞き取りを行うことがポイントです。

 

 

2 、患者自身の免疫力と施術

 

歯周病で歯肉が腫れて、歯の動揺もひどいのですが、

この患者に痛みはありません。

歯周病の菌がたくさんいても、身体の抵抗力、免疫力が高い方は、

痛くありません。

 

 

若い方よりも高齢者、

健康な方よりも不摂生で不健康な生活習慣がある方のほうが痛みを訴えやすいでしょう。

 

 

その患者の健康状態で治癒が左右されるので、

食事や睡眠にも気をつける必要があるかもしれません。

 

健康的な生活を送っているのであれば、

TBIでセルフケアを向上させ、

スケーリング、SRPなど歯周治療を行っていきます。

 

 

3、TBIの見直し

 

スケーリングも、SRPも行っているのに、

よくならない・・・。

 

今回はそのようなお悩みでした。

見る限り、残石は少ないように思えます。

しかし、歯肉の炎症が治まらない。

 

その場合は初心に返って、もう一度適切なブラッシング指導が行えているかを

見直します。TBIは奥が深いので、各症例によってアドバイスは変わります。

 

プラークがたくさん付着しているから歯肉が腫れているだけでなく、

一見綺麗に磨けているのに歯周ポケットからの出血がひどい場合などがあり、

どの部分でつまづいているのかを調べます。

 

 

このようなポイントを意識してみると、

改善につながりやすいです。

ここまでのポイントがクリアできていれば、次は超音波スケーラーの使い方や、

深い歯周ポケットについてのアプローチなどをお話ししています。

 

この患者さんはBOP100%です。

3ヶ月後どのように変化があるか、私も楽しみにしています。

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