最も効果的な【歯間部】の清掃用具は?
今回はDHstyle10月号で掲載されていた、
「若年者の歯間部はどの器具で清掃すべきか?」
イタリアのピサ大学病院のGrazianiらによる論文内容です。
18歳以上の健康な歯周組織を有する60名を対象に実験。
①手用歯ブラシのみ
②手用歯ブラシ + デンタルフロス
③手用歯ブラシ + 歯間ブラシ
④手用歯ブラシ + ラバー製ピック(歯間ブラシ)
の4グループに分け、1週間ごとに調査。
28日後までの経過を追い、それぞれのプラーク量を比較。
結果、一番プラーク量が減少したのは、
歯間ブラシ・ラバー製ピック
を用いた③、④のグループでした。
デンタルフロスより、歯間ブラシの方が
清掃効果が高いことは知っていましたが、
驚いた点は2つ
1.歯間乳頭が健全でブラックトライアングルのない
若年者においても、歯間ブラシが効果的であること
歯間ブラシが入るのであれば、こちらの方が、
プラーク除去効果が高く、歯肉炎(歯間部の出血)の改善に
効果が高いこと。
2.歯間ブラシとラバー製のピックでは、効果に対差がないこと
私は臨床的な手応えから、ラバー製のピックでは
歯間のプラークが落としきれていない…。と感じることが多く、
ナイロン製の一般的な歯間ブラシの方が、
プラーク除去効果が高いと思っていたので、
意外な結果でした。
今回の内容を通して、普段デンタルフロスを使われている方にも、
歯間ブラシが入るのなら、歯間清掃に、
「ときどき歯間ブラシを使う」ことをすすめた方がよいと感じました。
自分自身の口腔内、歯肉の変化では、
10~20歳代では歯間ブラシが入らなかったのが、
30~40歳代で気づくと歯間ブラシが全顎入るようになっている…。
セルフケアでの、フロスで出血しないのに、
歯間ブラシでは出血する部位があるということです。
健康な方ほど、ブラッシング時に隣接面の出血を見落としがちになるので、
デンタルフロスと歯間ブラシの適度な併用が必要です。
私はブラッシングでの歯間乳頭部の出血を重視しています。
一般の方が手用歯ブラシのみで、歯をみがいても、
歯間部はあまり出血しません。
それは、10代の子どもや、若者においても同じで、
「歯医者さんで歯みがきしてもらうと血が出た」
と言われます。
私たち歯科衛生士のプロケアブラッシングでないと、
出血しない。出血を発見できない。
という健康な方も多いので、
日々のメインテナンスでチェックし、
無理のないTBIを選択してみましょう!
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