プロバイオティクスは歯周治療に有効か?
2019年3月31日
こんにちは。
歯科衛生士の前池 綾乃です。
今回は2018年の「Journal of Clinical Periodontology」に掲載された、
ブラジルのSao Paul 大学のInverniciらによる論文で、
ビフィズス菌含有のプロバイオティクスは歯周治療の効果を
向上させるか?という内容が発表されました。
SRPを終えてから、プロバイオティクスの錠剤を
30日間服用した場合、プラセボ錠剤を服用した群よりも、
プロービングデプス(PPD)4mm以上と、
臨床的アタッチメントレベル(CAL)の改善が大きく、
ポケットの残存もか少なかった。
という結果になりました。
レッドコンプレックスなどの歯周病原性最近と
考えられる菌数が大きく減少し、B.Lactisが増加した結果から、
慢性歯周炎患者の治療において、B.Lactisの服用は
SRPと併用することで、有益な結果と結論づけました。
従来、歯周炎は歯周病原細菌による、感染症と
位置づけられていましたが、
細菌叢のバランスの乱れにより引き起こされる病的状態、
「Dysbiosis」
が近年の歯周炎の病因になっています。
プロバイオティクスのような「善玉菌」が増えることで、
悪玉の歯周病菌を減らし、菌叢を変えるという考え方です。
以前、ロイテリ菌ヨーグルトについて記事を書きましたが、
それと同じ考え方でした。
↓ロイテリ菌ヨーグルトのブログ記事
https://ameblo.jp/ayanokanna/entry-12381117801.html
論文の結果が過剰評価されているかもしれないということで、
さらなる研究が必要と書かれていましたが、
使ってみる価値はありそうです。
※参考図書 DH Style2019年3月号より