子どもに糖分摂取制限は指導する?
「カリエスリスクが高い子ども、
カリエスが多発する子どもに、
糖分摂取制限の指導を行うか?」
私の指導法は、
カリエスリスクが高そうな小児には、
まず、
お母さんに食事の記録を4日間記入してもらいます。
ここでの指導ポイントは、
患者さんの食生活状況によって、
ご家庭によって、アドバイスを変えています。
例えば、私は食品の中では、
ジュースや清涼飲料などを重要視しており、
乳幼児期の間から、極力ジュースは与えないという考えです。
実際に、私自身そして、子どもたちにも、
ジュースは与えても週1回。
特別にレジャーに出かけた日だけにしています。
ジュースには砂糖がいっぱい‼
普段からジュース飲まない家庭なら、
「与えるのは週1回くらいにしてください。」
「できるだけお茶や水を飲ませましょう。」
と、アドバイスできますが、
もともと、1日に2回ジュースを飲ませている家庭があったとします。
その場合、ジュースを週1回にしましょう。
というと、とても負担に思い、「できない」
という思考にさせてしまいがちです。
ですから、その場合はお母さんに、
まずは、
「1日2回飲んでいるジュースを、
1日1回に減らせませんか?」
「減らせるのなら、どの時間帯(朝食時、おやつ時など)を
やめれますか?」
と問かけます。
その後は、買い置きしない。
ぐずったら甘いものを与える習慣、、をやめる。など、
できることを一緒に考えます。
そして、もちろん甘いものを食べているから、
ダメ・・・という指導ではなく、
糖分以外で
食品の見るべき3つのポイント
をお伝えします。
1.飲食回数・ステファンカーブの説明
飲食後お口の中はすぐに酸性に傾き、歯が脱灰します。
食後、何も食べない状態で
40分以上かけて中性にもどり、歯は再石灰化します。
・だらだら食べないようにすることが大切‼
・食間の時間を長くあける
ことを保護者にアドバイスしましょう。
2.食品のPH
甘いものだけがむし歯になる…?
と思っている方は、まだまだ多いです。
甘い(砂糖が多い)ことは十分に気をつけないといけませんが、
甘くなくても酸性の食品は歯を溶かしやすいです。
ほとんどの食品がエナメル質の臨界PH5.5を下回っているので、
乳歯や幼若永久歯の臨界PHは6.3
お茶や水以外の食品は歯を溶かすと言っても、過言ではないでしょう。
3.糖のクリアランス
例えば、
チョコレートやキャラメルを食べた後、
お口の中からなくなっても、
ねばっとする感じが残ったり、しみることがあります。
食品がなくなってから、口の中に停滞する時間を
クリアランスといいます。
チョコレートやキャラメルのクリアランスは、
なんと、
15~45分‼
その後、唾液が中性にもどるにはプラス40分
やはり、むし歯になりやすいと納得です。
この3つのポイントをカリエス予防で患者さんに伝えてみましょう。