リステリン®の効果と特徴

こんにちは。
歯科衛生士の前池 綾乃です。
 
 
2018年春の日本歯周病学会で学んだ情報です。
今回はリステリン®
 
 
 
ブラッシングだけでは、75%も
お口の中にバイオフィルムが残る!
 
 
 
リステリン®を使うことで、
プラーク除去効果が5倍
健康な歯肉は2倍になるそうです
 
 

 
 
 
実は、私自身、洗口液は使用していないので、
患者さんにすすめるとしても、
フッ素洗口剤をすすめることが多いです。
 
 
 
そして、何より、
リステリン®の味がきつくて、苦手…。
 
ですが、お話しを聞くと使ってみたくなりました。
 
 
 
 

1.リステリンの効果や特徴

 
 
<特徴>
・リステリンは洗口剤で一番エビデンスがある
 
 
・エッセンシャルオイル(分子量が小さい)
が配合されていることにより、バイオフィルムへ浸透しやすい
 
 
・主成分がチモール(IPMPの異性体)で、
非イオン性化合物
 
 
・バイオフィルム浸透殺菌力時間が
             なんと30~60秒❗
 
 
0.12%CHX(グルコン酸クロルヘキシジン)
で、バイオフィルム浸透殺菌力時間は6分。
しかも、ほとんど浸透せず、菌が減っていないとのこと。
 
 
 
 
しかし、私は歯周病の炎症が強い方には、
ウェルテックさんのコンクール液をすすめています。
それは臨床で使用していて、効果を感じるからです。
 
 
 
 
医院では扱っていないので、市販での購入になりますが、リステリン®の知名度は高く、
多くの方が、
目にしたことがあるようです。
 
 
 
使い方については、
ほとんどのタイプが、ブラッシング後に洗口
となっていますが、
 
私は30秒洗口した後に、
ブラッシングを行うよう、すすめています。
 
 
 
 
二階堂 雅彦先生に、
「洗口後にブラッシングを行った方が、
バイオフィルムを破壊するのに、効果的だと思うのですが…」
という質問をしてみました。
 
 
 
「そういう考え方もありますね。
 ブラッシングの前後は、
どちらでもよいかと思います。」
 
とお答えくださいました。
 
 
 
なので、
使用感や、味のこともあり、
私はブラッシング前に洗口するよう、
すすめます!
 
 
 
 
 
 
<日本とアメリカの比較>
・IDBやフロスを使用している人
   日本…39%
   アメリカ…74%
 
 
・マウスウォッシュを使用している人
    日本…33%
   アメリカ…63%
 
フロスはアメリカの方が、
使用率が高いことは知っていましたが、
マウスウォッシュも高いとは…
 
 
やはりアメリカの方が、
セルフケアの意識が、
日本に比べてかなり高いですね。
 
 
 
 
 
リステリン®を院内で使用するには?
 
・菌血症の予防で、SRPの術前に洗口する
 
・FOP、インプラントなど、オペの術前に洗口する
 
・オペ術後2~3週間に使用する
 
 
 
 
その他、知ったこと
・クロルヘキシジンに少しアルコールが入っている
 
・イリゲーションに薬剤を使っても、効果はない。
(p-maxなどの超音波を用いる時の、外部注水でクロルヘキシジンなどを使う時のこと)
 

 

 

 

 

2.リステリン使用に気をつける点

 

これまでリステリン®のよいところばかり書きましたが、
不向きな方もいらっしゃいます。
 
 
 
 
 
それは、
カリエスリスクが高い人
 
 
 
にはすすめない…と、私は考えています。
 
 
 

 
 
 
 
 
「えっ‼  プラーク除去効果が高いって、
                                              書いてたのに‼?」
と困惑すると思いますが、
 
 
 
 
 
 
実際に私が10日連続で使用した感想と、
今までマウスウォッシュを使用していた方の口腔内を見て、感じたことです。
 
 
 
 
リステリン®は味がきつく、刺激が強いのか、
口臭は減りますが、使ったあとは、
 
 
 
 
 
口が渇く
 
口の中がざらざらすると感じました。
 
 
 
これは、ジュースを飲んだ後の、
口の中の状態に、似ているように思います。
 
 
 
ざらざら
ねばねば
 
 
そんな感じです。
 
 
 
 
寝る前に使用した方。
リステリン®で洗口した後に、水でゆすがない方は、歯の黄ばみがひどく、粘性の唾液が出ていました。
(このことがあり、洗口後にブラッシングをすすめています。)
 
 
 
 
ひどい方は、マウスウォッシュをやめてもらうと、唾液がさらさらになり、
ねばつきがなくなったりしました。
 
 
 
 
 
効果が高いと書いていても…
 
 
何か、
カリエスになりそう…(汗)
口の中が酸性になってないか心配…
 
 
 
 
そんな気分です。
 
 
 
 
 
なので、
・カリエスリスクが高い
 
・口渇
 
・唾液が少ない
 
・飲食回数が多い
 
・歯面の黄ばみがひどく、ねばねば
 
 
 
こんな方には、脱灰しやすくなりそうで、
すすめていません。
 
 
 
 
 
歯周病の患者さんで、
リステリン®をすすめたケースは
 
 
 
・中等度~重度の歯周病
 
・カリエスリスクが低い
 
・歯面の黄ばみがなく、ねばねばしていない
 
・プラークコントロール良好
 
・全顎的に歯周病が進行
 
 
 
 
 
これに該当し、かつ常用するのではなく、
SRPの期間中~再評価まで
など、短期的な使用を提案しています。
(連続使用の後に、週1回使用するなど、工夫しています。)
 
 
 
 
 
 
 
Pの急発や、
一部の垂直性の骨欠損がある方には、
 
 
 
コンクール液
(グルコン酸クロルヘキシジン)
をすすめています。
 
 
 
なので、
メリット、デメリットの両面を知ること、
そして、エビデンスだけでなく、
自身で使用感を試してみる。
 
 
 
そこから、患者さんにすすめるか、
すすめないか…
 
 
 
その判断は、歯科衛生士によって
違うと思います。
 
 
 
皆さんなら、どのように使われますか?

 

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