「私しかシャープニングをしていません。」
2019年7月4日
こんにちは。
歯科衛生士の前池 綾乃です。
歯科衛生士さんのスキルアップ指導で、
お悩みもたくさん聞かせていただきました。
最近、よく聞くお悩みは
「医院で私しかシャープニングをしていません。」
という悩みです。
しかも、医院で立場的には後輩の方が、
•先輩たちがシャープニングをしない。
•もっと医院で歯周治療ができるように、
取り組みたいが、自分1人だけで学んでいる。
という悩みを抱えています。
そして、そのような医院では、
決まってマイスケーラーはなく、
全員でハンドスケーラーの器具を
共用しています。
シャープニングをしないことに関しては、
「1人孤独だと思いますが、
みんなの分のスケーラーも、
シャープニングして、
使いやすさを実感してもらいましょう。」
と、アドバイスをしています。
そして、やがて先輩たちから
「研いでくれて使いやすくなった!
ありがとう!」と言われます。
しかし、
研いでも研いでも、
先輩たちは使いやすくなったスケーラーを
使っても、一向に研ごうとしません。
シャープニングをしている彼女は、
心が折れそうになるけど、
自分が使うときに、研いだものがなければ
困るので、また頑張って全てのスケーラーを
シャープニングしています。
ゴールは見えません。
みなさんなら、
このことをどう感じますか?
勤務先の院長は、
この現状に気づいていますか?
シャープニングをして、
ハンドスケーラーを使いやすい
状態にしたり、器具の管理をするのは、
もちろん患者さんの為です。
プロであり、
刃物を口の中で扱う私たちは、
万全な状態で施術にあたります。
それが当たり前と思いますが、
残念ながら、時間がない、
忙しいという状況から、
器具の手入れを怠る方もいらっしゃいます。
全ての人にシャープニングをしてほしいと、
強制はできません。
やらない人には、
やらない理由があります。
では、
どうしてシャープニングをしないのか?
•シャープニングはよいと思うが、
後輩の前で自分ができないことを
知られたくない
•今まではやらなくてすんだのに、
余計な仕事を増やされたくない
•現状が忙しすぎて、心にゆとりがない
きっと様々な理由があります。
まずは、やらない方にやらない理由を
聞くことから始めてみましょう。
そして諦めずに
シャープニングをしているのに、
みんながやらなくとも、
それは必ず自分のためになっています。
そして、その影の努力が
今すぐに報われなくても、
また時を変えて、ご自身の評価に
つながる時がきます。
ストレスフリーは、
やはり個人での器具の管理をおすすめします。
ハンドスケーラーのシャープニングという
些細な出来事ですが、
いろんなことに関係しているな…と
感じます。
どうかその若い歯科衛生士さんの、
やる気が奪われませんように。
院長先生は、
先輩たちの振る舞いに気づいていますか?
見て見ぬふりをしていると、
やる気のある後輩はどんどん辞めるでしょう。
「ここでは勉強できない。
ここで自分は成長できない。
自分が学んだことが発揮できない。」
そのように感じさせてしまわないように、
リーダー育成は本当に重要です。
現在、リーダーで適任者がいない場合は、
もっと慎重に、スタッフ育成を考えないと
いけません。
そんな歯科衛生士さんが、
医院を辞めずに、
院長や先輩たちを巻き込んで、
医院をよくしたい思いで頑張っています。
素敵な歯科衛生士さんたちに
関わらせていただいていること、
本当に嬉しく思います。
流れが変われば、
私はその歯科衛生士さんたちを職場で
サポートしていきたいと、
本気で思った出来事でした。