インプラントメインテナンス
こんにちは。
歯科衛生士の前池 綾乃です。
インプラントのプロービングはプラスチックのプローブだと、
ずっと信じていました。
3年ほど前にその概念は変わったようで、日進月歩の医療の世界は、
常に勉強して知識を新しく更新する必要を感じます。
今回インプラントのメインテナンスを教えていただいた、
田内 友貴先生のお話しでをいくつかポイントにまとめます。
1.プロービング
・プロービング圧は0.2~0.25N
・フィクスチャー周囲組織の弾性の確認を行う
・炎症性出血の有無
プロービングで重要なことは、圧のコントロールと、
インプラントの形態に合わせて、きっちりとプローブを挿入できているのかが大切です。
例えば、大臼歯ならファーケーションプローブの背面を使って挿入した方が、
インプラントの形態に適しています。
直線的なプローブを使うと歯肉をつきさす原因になり、注意が必要です。
また、上顎前歯部のインプラントでは、
上部構造の立ち上がりが大きいので、誤挿入が起こりやすいです。
プラスチックプローブも使えますが、どちらかというと、
純チタン製のプローブを推奨していました。
そして、インプラント周囲のポケットが深いだけで判断ができない
(インプラント埋入部が深く、歯肉が厚い場合もある)ので、
初見から比較してどうなったかを基準に診査することが大切です。
2.コンタクトの経年変化をみる
天然歯は近心に動く傾向があり、
一方インプラントは動きません。
なので、コンタクトポイントがスカスカにゆるくなっていないかも
診査する必要があります。
3.メインテナンスの期間
インプラント患者は3ヶ月に1度が最大で、
それ以上は開けないこと。
炎症がある場合は2週間ごとに来院していただき、
消炎すれば、1ヶ月、2ヶ月と少しずつ開けてケアする必要があります。
また、メインテナンス時に高濃度のフッ素塗布は行わず、
低濃度のフッ素入りセルフケア用品で構わないとのことでした。
ただ、インプラントと天然歯の比率によりますが、
インプラント単体で考えた場合には、フッ素は使用しないことがベストです。
インプラントはとても快適なものですが、
どんなに最善とされる処置をほどこしても、
経年的な口腔内の変化に伴い、劣化は起こります。
それらをふまえ、
今一度、インプラントのメインテナンスを行っていきましょう。