私が歯科衛生士を目指した理由
こんにちは。
歯科衛生士の前池 綾乃です。
最近嬉しいことに、
「前池さんをモデリングしたい!」
という方が現れました。
そこで、
なぜ私が歯科衛生士になったのかという、
原点を聞かれ、懐かしくも初心を
思い出しました。
私は初めは歯科助手をしていました。
歯科助手で4年働いていたとき、
当時の院長がとても厳しい人でした。
新人スタッフが2週間に1人辞めていくペースで、
ひどいときは3時間で辞める方がいました。
私は早くから、新人歯科助手に教える
役目をさせていただきましたが、
何十人に教えてきたのか忘れるほど、
たくさん新人に教えては辞められることを、
繰り返しを経験してきました。
そんな中、歯科衛生士の先輩も次々に辞めてしまい、
全員歯科助手だけのスタッフ。
22歳の若さで一番上の先輩のポジションを経験しました。
歯科衛生士の先輩たちがいなくなったとたん、
患者さんの待ち時間は伸び、
院長が歯科衛生士の仕事も行うという悪循環が始まりました。
医院の空気は悪く、疲れ切っていました。
とても厳しい院長で、私もいつかここを辞めたい…
と思っていましたが、大変な状況は意外にも、
「私が歯科衛生士だったら、
患者さんはこんなに待たずにすんだのに…。
院長をもっと手伝えることができたのに…。」
医院を何とか助けたい
という気持ちが強くなっていました。
歯科衛生士がいなくなってから、
私は自ら仮歯を作らせてほしいと院長に頼み、
練習し、できる限りの範囲で、手伝える業務を行いました。
そのときの院長は雇われの立場でしたが、
私が歯科衛生士でもないのに、
私に歯科衛生士手当て分を毎月、
ポケットマネーからくれるようになりました。
それが数か月続いたときに、
院長に言いました。
「私はお金が欲しいから、業務を増やしてやっているのではなく、
患者さんが待たなくていいように、
院長の負担を減らしたいと思ってやっています。
歯科衛生士ではないので、手当は入りません。」
それを機に私は歯科衛生士になろうと
決めました。
私は歯科の勉強がとても好きで、
働いてからたくさんのことを
教えてもらうことが喜びでした。
後輩からは
「歯科衛生士さんですか?黒田さん(旧姓)に聞けば、
何でも知っているから、すごいと思いました。」と言われたり、
院長からの
「きみが歯科衛生士になったら、
先輩たちを必ず抜く、すごい人になるよ。
きみはとてもこの仕事が向いている。」
と言う言葉も自信になりました。
私が歯科衛生士専門学校に入学する年の
3月にこの医院は閉院となり、
私は初めて勤めた歯科医院では、
歯科衛生士として働くことはありませんでした。
私は専門学校を首席で卒業することができ、
卒業式にはこの歯科助手時代の先輩と、
院長が出席してくださり、
卒業証書と、成績優秀者の症状をいただき、
一緒に喜んでくださいました。
この初めての歯科医院での経験が、
人生に大きな影響を与え、
私は歯科衛生士になることができました。
26歳でなった歯科衛生士。
院長に期待されたような、
歯科衛生士になっているかな…?
このような振り返る機会を与えてくれた、
若い歯科衛生士さん。
本当にありがとうございました。